【第2弾】生成AI×教育実践事例インタビュー|教員業務効率化とChatGPT活用術
2024年7月5日作成
はじめに
前回インタビューした小倉以索教授の生成AI活用事例に引き続き、今回は生成AI活用事例第2弾として、デジタルハリウッド大学の山内講師にインタビューしました。
山内講師プロフィール
東洋大学法学部卒業。ソラン株式会社(現TIS株式会社)へ入社。主に保険会社向けシステム等を担当。退社後は母娘二人三脚でWeb制作会社(株)ワイエムユーシーネットを運営。 現在はWeb制作、講師業の他 池袋のコワーキングスペースFORESTのコミュニティマネジャーとして空間運営を行っている。
デジタルハリウッド大学 教授・教員紹介
Q: 山内先生の授業の概要を教えていただけますか?
A: IllustratorやPhotoshopの使い方をレクチャーする授業を持っています。
Q: AI技術を多方面で活用されていると聞きましたが、大学の授業ではどのような方法で利用されていますか?
A: 例えば、Photoshopに慣れてもらうためにバナーの制作課題を出すのですが、素材サイトで良いものが見つからない場合は、自分で素材をAdobe Fireflyで作成して学生に配っています。素材の選択肢が増えてクオリティが上がるので、かなり便利です。
Q: 大学の授業でAIを活用する際に気を付けていることはありますか?
A: 学生には、生成するプロンプトで書いてよいものと悪いものを伝えていますね。例えば、現役クリエイターの名前を使ったプロンプトは使用しませんし、実在する著名人の名前もNGです。これは、ディープフェイクの問題があるためです。
ただ、基本的には学生に自由に使ってもらっていますね。例えばイラストレーターの生成再配色機能は便利ですよ。ベースの画像を使って、色違いのバリエーションをたくさん作ることができます。あとは、わざわざPhotoshopを使わずともAdobe Fireflyで簡単に加工が出来るんです。「ネオン加工が出来て便利だよ」、ということなども伝えています。
プロンプトを入力する山内講師
Q: 学生たちはどのようにAIを利用していますか?
A: 絵が描ける学生はAIを嫌う傾向がありますが、私が授業内で生成AI活用を促しているのもあり、描けない学生は素材を生成するために利用しています。ただし、絵が描ける学生が、アイデア出しのツールとして使うこともあります。
Q: 授業資料の作成にAIはどのように役立ちますか?
A: 授業資料の目次や章立てを考えるのにAIを使っています。アイデアをAIに生成してもらったり、私はたまに専門学校や他大学に向けてセミナーもやるので、そういったセミナーのアイデア出しなどにも利用しています。話すことの整理をしたり、どのような観点で話せば良いのか?を教えてもらったりもしています。後は、学生からスラックで質問が来るのですが、ChatGPTに回答を任せて、私は間違っていないかをチェックのみ実施することで効率化させていますね。コーディングの質問には、簡単なサンプルをChatGPTに頼むこともあります。
AdobeFireflyで生成した画像を用いて資料作成をする山内講師
Q: 今後、学校業務においてどのように生成AIを活用する予定ですか?
A: 来年のシラバス作成にもAIを利用する予定です。一回、プロンプトを入力して16回のカリキュラムを作成できるのかな?と思いやってみたんですけど、出来そうでした。例えば、デザインにおける認知特性の授業をしようと思うじゃないですか。そこで「認知特性について分かりやすく学生に教えてください」とプロンプトを打つと、本に無かったり、思いつかなかった観点からChatGPTが回答してくれるんです。引用元の資料の補足や肉付けをする際にも使えますね。
Q: テスト作成にもAIを利用していると聞きました
A: そうですね、4択テストをChatGPTで作成しました。設問と解説を作成し、間違いがないかを確認しながら実施しましたが、精度は高いですね。解説付きの四択問題を作る際には非常に便利です。もちろんAIは望みの回答が一発で出ないこともありますが、対話を重ねることで精度が上がるなあと思いました。
テスト問題を作成する山内講師
Q: 最後に、生成AIについて専門学校や大学の先生方へのメッセージはありますか?
A: 後は、私自身、持っている授業も多いのとコワーキングスペースの運営もしていて忙しいんですよね。なので、生成AIで素材探しの手間を省いたり、ChatGPTを使ってどんどん効率化しているのには助かっています。忙しい方こそ、どんどんChatGPTを使って欲しいです。
まとめ
今回は山内講師の生成AI活用事例をご紹介いたしました。
デジタルハリウッドアカデミーでは、本学で得られた生成AIのノウハウを活かしたFD/SD研修をご提供しております。
詳細につきましては、お問い合わせくださいませ。
https://academy.dhw.co.jp/contact/
執筆者
萩原ちはる(デジタルハリウッド株式会社 まなびメディア事業部)
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