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デジタルハリウッド大学 2024年度 卒業制作展報告|生成AI活用作品も

2025年2月25日作成
はじめに
2025年2月14日(金)~2025年2月16日(日)にかけて、デジタルハリウッド大学の2024年度卒業制作展が開催されました。本稿では初日の様子をお伝えいたします。
会場にはディスプレイやサインに至るまで工夫が凝らされ、学生たちの創意が随所に感じられました。平日にもかかわらず多くの来場者が足を運び、学生たちのプレゼンテーションに熱心に耳を傾ける姿が見られました。

卒業制作展とは

デジタルハリウッド大学の卒業制作展では、CG、アニメーション、ゲーム、映像体験型インスタレーション、VR、VTuberライブ、ビジネス研究など、学生たちの学びの集大成が展示されます。体験型のコンテンツも多く、デジタルコンテンツをより身近に感じられる3日間です。
今回は、AIを活用した作品を中心にいくつかピックアップをしてご紹介いたします。
※画像は告知サイトより一部引用しています:https://www.dhw.ac.jp/p/sotsuten/

1. AIと人間のアートの“価値”を問い直す


▲AIにより生成された作品(左)と人の手によって描かれたもの(右)
制作者:中嶋 瑛彰さん/デジタルアート研究ゼミ
AIと人間がそれぞれ生み出した作品を並べることで、芸術の本質に問いを投げかける挑戦的な企画だそうです。作者の中嶋さんは、ブースでひたすら絵を描いており、その後ろで生成AIが、自動的に瞬時に中嶋さんの絵のタッチに近い絵の作品を生成します。
AIが登場し、人間が絵を描く意義は?それでも絵を描き続ける哲学的な取り組みに、見ている側も引き込まれてしまいました。

2. Resonance


制作者:カルヘイロス クイナセルシェデロ デ アルメイダ トーマス ルイスさん/3DCG映像制作・技術研究ゼミ
ピクセルアートを用いたショートフィルム『Resonance』。実写映像をAIでピクセルアート風に加工し、1990年代のスーパーファミコンを想起させるビジュアルが印象的でした。制作には「Stable Diffusion」の拡張機能を活用。線画を抽出して塗り直しを可能にする「ControlNet」のLineartや、人物のポーズを制御する「DWPose」など、多様な技術を駆使して、オールドスクール感あふれる映像に仕上げていました。

3. AIで旅行計画をもっと便利に!「たびぷら」

制作者:NGUYEN MINH TRANGさん/Webディレクション&デザイン研究ゼミ
『たびぷら』は、行き先、同行者(家族・カップル・友人など)、旅の目的を選ぶだけで、おすすめのスポットをAIが提案するWebサービスです。展示ブースで実際に試してみると、提案内容の的確さに驚かされました。AIが旅行計画に自然と組み込まれる未来を感じることができました。

AI活用が当たり前の時代へ
AIを中心に据えた作品が目立つことも予想していましたが、実際にはAIを効果的に取り入れ、作品の完成度を高めるアプローチが目立ちました。殊に、言葉を使ったAI(LLM系生成AI)においては、もはや「特別な技術」から「創作の選択肢の一つ」へと変化していることが実感できるような内容でした。
これからのクリエイターは、生成AIとどのように向き合い、活用していくべきか。
デジタルハリウッド大学の卒業制作展は、生成AIと創作の関係を改めて考え、その可能性と課題を見つめ直す新たな視点を得る場となりました。

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